梅雨の現場で大工が気をつけること|木材と湿気の上手なつきあい方

じめじめとした空気、毎日続く雨…。梅雨の季節は、お家でお過ごしの方も「洗濯物が乾かない」「カビが心配」とお悩みではないでしょうか。

実は私たち大工にとっても、梅雨はひと年のうちでとくに気を引き締めて仕事に臨む時期です。今回は、田中大工店の現場から、梅雨の季節に職人が何を心がけているか、リアルな声をお届けします。


目次

木材は”生きている”──湿気に敏感な理由

大工仕事の要といえば、やはり木材です。木は伐採されたあとも周囲の湿度に応じて水分を吸ったり吐いたりする性質があります。これを「調湿作用」と呼び、木造住宅が快適な室内環境を保てる大きな理由のひとつです。

しかし、この調湿作用は、現場での管理を怠ると逆に困りごとの元になります。

たとえば、雨の日に外に出しっぱなしにした木材は表面が濡れるだけでなく、内部にまで水分が染み込んでしまうことがあります。そのまま乾燥させずに壁の中に組み込んでしまうと…

  • 乾燥収縮によって木材が反ったり割れたりする
  • 壁の中で結露が起き、カビや腐食の原因になる
  • 数年後にフローリングや建具に隙間が生まれる

こうしたトラブルを防ぐため、田中大工店では梅雨の時期にとくに念入りな木材管理を行っています。


現場でやっていること①:搬入タイミングを雨に合わせる

木材の搬入は「晴れの日」か「雨が上がった直後の乾燥したタイミング」を選ぶのが鉄則です。

とはいえ、梅雨の時期は天気予報が外れることも多いですよね。そこで私たちが気をつけているのが、搬入した木材をすぐに現場の屋内へ移動させること

屋根がかかっている場所なら、多少の湿気があっても木材が直接雨に濡れることはありません。また、床に直置きにするのではなく、必ず角材を敷いた「束置き(つかおき)」という方法で地面から離して保管します。これにより、地面からの湿気が木材に伝わりにくくなります。


現場でやっていること②:ブルーシートで徹底カバー

現場によっては、搬入後すぐに全ての木材を屋内へ収納できない場合もあります。そんな時は、養生用のブルーシートをかけて雨や夜露を防ぎます。

ポイントは、四方を完全に覆って通気口を残すこと。密閉してしまうと今度は内側に熱と湿気がこもってしまい、かえって蒸れてしまいます。シートの下に少し隙間を作り、空気が循環するようにするのが職人の知恵です。

また、シートは毎朝めくって木材の状態を確認します。万が一、雨が吹き込んで濡れてしまっていたら、その日の作業開始前にしっかりと乾燥させます。


現場でやっていること③:湿度計で室内環境をチェック

新築やリフォームの現場では、工事中の室内の湿度管理も重要です。壁や天井を仕上げていく段階では、木材が適切な含水率(かんすいりつ)になっていることを確認しながら進めます。

含水率とは、木材に含まれる水分量の割合のこと。一般的に、建築に使う木材は含水率15〜20%以下が目安とされています。この数字を超えた状態で仕上げてしまうと、後から木材が乾いて縮み、不具合が生じやすくなります。

田中大工店では、デジタル含水率計を使って現場の木材を定期的に測定。数値を見ながら「今日は仕上げに入れる」「もう少し乾燥させてから作業しよう」と判断しています。


梅雨の現場は丁寧さが問われる季節

梅雨の期間中は、雨天で現場の作業が止まることも出てきます。でも、「何もできない」とは思っていません。

雨の日こそ、次の工程の段取りをじっくり考えたり、加工が必要な木材を工房で準備したりする時間になります。急いで仕上げるより、天気に合わせて段取りを組み直す柔軟さも、長く信頼していただける大工の仕事だと感じています。

お客さまから「雨だと工事は遅れるの?」とご心配いただくこともありますが、田中大工店では工程にゆとりを持たせて計画を立てています。梅雨の時期にご依頼いただく場合も、工期についてはしっかりとご説明しますので、どうぞご安心ください。


まとめ:梅雨の大工仕事は「管理」が命

今回のポイントをまとめると、

  • 木材は湿気に敏感。搬入タイミングと保管方法が大切
  • ブルーシートは「覆いつつ通気を確保」するのが正解
  • 含水率計で数値を確認しながら工程を判断
  • 雨の日は段取りと準備に充て、品質を落とさない

梅雨だからこそ見えてくる、職人のこだわりと技術の積み重ね。田中大工店は、季節を問わず「丁寧で誠実な仕事」をお届けすることを大切にしています。


お気軽にご相談ください

「梅雨が明けたらリフォームしたい」「新築を検討している」というお客さまも、まずはお気軽にご相談ください。現地の状態を拝見した上で、最適なプランをご提案いたします。

田中大工店へのお問い合わせは、お電話またはお問い合わせフォームからどうぞ。地域に根ざした大工として、誠心誠意対応させていただきます。

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